研究概要図のブラッシュアップを通じた研究資金獲得支援の試み

Abstract

研究資金獲得や研究発信のために、研究者自らが、研究構想を視覚的に整理し、効果的に表現する技術を身につける必要性が高まっている。研究者から申請書や論文に用いる研究概要図の作成に関する支援依頼も少なくない。一方、申請書の書面（文章）のブラッシュアップについては多くのURA組織で支援しており、その蓄積によりURAのスキルアップも図られているが、研究概要図をはじめとした効果的な図の作成支援については、URAが担うには限界がある。京都大学学術研究展開センターでは、2020年度より3年間、研究概要図の作成支援にフォーカスした研究資金獲得支援の活動を実施した。初年度は、研究者のニーズ調査の位置づけで、申請書、プレゼン資料作成のデザインスキルアップセミナーとプロのデザイナーとの協業についてのセミナーを実施。次年度は、初年度のアンケートをもとに、研究概要図のブラッシュアップにフォーカスしたセミナーを実施した。3年目は外部デザイナーによる個別の研究概要図ブラッシュアップをURAも交えて実施し、個々の研究者支援と並行してURAのスキルアップも試みた。発表では、本取り組みの成果と課題について議論したい。