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タイトル: Types of causal relations : a survey
その他のタイトル: 哲学的・言語学的研究における因果関係の分類
著者: Tamura, Sanae
Hara, Yurie
Kim, Youngju
Sakai, Hiromu
著者名の別形: 田村, 早苗
原, 由理枝
金, 英周
酒井, 弘
発行日: 25-Dec-2010
出版者: 京都大学大学院文学研究科言語学研究室
誌名: 京都大学言語学研究
巻: 29
開始ページ: 1
終了ページ: 26
抄録: 本研究ノートでは、先行研究で提案されてきた因果関係の分類について概観し、関係する言語現象についてまとめる。哲学、言語学両分野の研究において、因果関係をいくつかの種類に分けられることが提案されている。本論ではそのうち4つの分類基準について論じる。すなわち、(A)因果関係の担い手が事実・命題であるか出来事であるか、(B)結果を引き起こすものが個体であるか出来事であるか、(C)原因と結果の間に別の出来事が介在しているか否か、(D)原因と結果の間に、何らかの主体による原因の認識が介在しているか否か、の4点である。2, 3節では(A)の基準にかかわる先行研究をまとめた。まず2節では、因果関係に関する古典的研究として、Davidson(1967)の因果言明causal statementと因果的説明causal explanationの分類について述べた。前者は川来事の間の関係を表すが、後者は事実にかかわるものである。その後3節で、出来事間の因果と事実間の因果の両方を認める研究として、Vendler(1967)とBennet(1988)を取り上げた。4節では、(B)の観点による分類として、日本語の使役動詞を分析した影山(1996)について見た。影山は、使役動詞の形態意味論的分析のための概念として、因果関係をCAUSEとCONTROLの2種類に分けることを提案している。5節と6節は原因と結果の間の介在物に注目した分類を扱った。5節は(C)の観点について、直接因果direct causationと間接因果indirect causationという分類を取り上げ、因果関係の違いが言語現象に影響する場合を見た。最後に6節では、(D)の基準による分類を論じた。原因と結果の間に認識が介在する場合は意思的因果volitional causation、介在しない場合は無意志的因果non-volitional causationとした上で、日本語の(1)のような例にもこの分類が関わることを論じた。(1) a. アクセルペダルが故障したことが事故を引き起こした。(無意志的因果)b. アクセルペダルが故障したことが消費者のトヨタ離れを引き起こした。(意思的因果)
DOI: 10.14989/141805
URI: http://hdl.handle.net/2433/141805
出現コレクション:第29号

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