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タイトル: <Articles>Dissonances of Emotions : Symbols in Kazuo Ishiguro's Klara and the Sun
その他のタイトル: <論文>感情の不協和音 --カズオ・イシグロ『クララとお日さま』における象徴性
著者: Xiao, Yiqun
著者名の別形: 肖, 軼群
発行日: 31-Dec-2021
出版者: 京都大学大学院人間・環境学研究科思想文化論講座文芸表象論分野
誌名: 文芸表象論集
巻: 9
開始ページ: 1
終了ページ: 20
抄録: 本稿は、カズオ・イシグロの『クララとお日さま』(Klara and the Sun, 2021)における象徴の役割を論じるものである。象徴はこれまでのイシグロ作品の重要な一要素であり、リアリズムから離れた『充たされざる者』(The Unconsoled, 1995)以来その重要性がさらに増している。『クララとお日さま』の語り手は、自身の所有者である人間の感情を観察し、学んでいく「人工友達」(Artificial Friend)である。作品全体は楽観的な雰囲気に包まれ、語り手クララも自分の幸福感を謳歌するが、彼女の語りから高度な感情の抑圧を読み取ることができる。抑圧された感情的な部分は平坦な語りの中ではほとんど描かれていないが、言語以外の形、即ち象徴によって表現されていることを本稿で分析する。具体的には、「牡牛」、「羊」と「草地」の三つの象徴を分析対象として選び、そこに潜む意味を解釈しながら、凝縮された感情を明らかにする。それによって、クララの人生における出来事との繋がりを明確にした上で、これらの象徴はクララの抑圧された感情の表現形式の一つであるとの結論に至る。さらに、複数の作品に登場する「草地」の象徴的な意味を解析することで、イシグロ作品における感情の抑圧と象徴との相互補完的な関係を指摘する。
DOI: 10.14989/LAR_9_1
URI: http://hdl.handle.net/2433/267530
出現コレクション:第9号

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