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タイトル: 政府間における出向制度の厚生分析
著者: 小嶋, 健太  KAKEN_name
著者名の別形: Kojima, Kenta
発行日: Mar-2015
出版者: Institute of Economic Research, Kyoto University
誌名: KIER Discussion Paper
巻: 1410
抄録: 中央政府から地方政府へ職員を派遣させる政府間の出向制度は, わが国の公務員制度の大きな特徴とされる。地方政府のガバナンスを実現するチャネルのひとつとして機能する出向制度には根拠法がなく, インフォーマルな慣行として存続してきた。本稿の目的は, 出向制度の経済合理性を理論的に明らかにすることである。中央政府が地方政府に配分する財政移転を決定するのに, 実際にその地域に行かないと知ることができない私的情報が必要であるという状況を考え, 中央政府からの出向者が地方政府との間の情報の非対称性を解消する役割に焦点をあてる。たとえ出向者が私的利益を追求して地方政府の私的情報を中央政府に対して隠匿する可能性があっても, 出向者の情報探索能力がある一定の水準を上回っていれば, 出向制度は社会的に望ましいことが示された。さらに, 財政基盤の弱い地方政府は, 一定の条件の下で, 出向者の情報探索能力に関係なく, 出向者が存在する場合の方が存在しない場合より平均的に大きな財政移転を受け取ることが明らかとなった。
URI: http://hdl.handle.net/2433/196348
関連リンク: https://www.kier.kyoto-u.ac.jp/publication/
出現コレクション:KIER Discussion Paper (邦文版)

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