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タイトル: | 膀胱結核に関する實験的研究 第III篇:結核化学療法剤の実験的膀胱結核に対する作用機転に就いて |
その他のタイトル: | Experimental Studies on Vesical Tuberculosis Report III: The effect of chemotherapy on experimental vesical tuberculosis |
著者: | 中野, 富夫 ![]() |
著者名の別形: | Nakano, Tomio |
発行日: | Dec-1955 |
出版者: | 京都大学医学部泌尿器科教室 |
誌名: | 泌尿器科紀要 |
巻: | 1 |
号: | 4 |
開始ページ: | 227 |
終了ページ: | 237 |
抄録: | 1)家兎膀胱結核に対して, SM及びINAHは共に見るべき効果を示すが, SMの方がINAHより病理組織学上の治癒機転に関する限り優れた効果を示した.PAS, TB-1はSM, INAHに比して遙かに効果は劣り, 結核肉芽組織に対して殆んど認むべき効果はなかつた.2)SM治療の場合には肉眼的に結核肉芽組織は著しく搬痕性萎縮を来し, 病理組織学的には類上皮細胞の萎縮変形が著しく, 各個ばらばらになつて格子状線維化が強く認められた・又結締織の増殖も著明であり, 従つLζ肉芽組織は著しく搬痕性萎縮に陥り, 結締織化しているのが特長であつた.3)INAH治療の場合では肉芽組織の萎縮はSM治療の場合程著明ではなく, 又類上皮細胞の萎縮も強くなく、各個ばらばらにならずに多数集積して一団をなして居り, 格子状線維化は認め難く, 且結締織の増殖も弱かつた.4)血中SM濃度は注射1時間後では平均値65.4γ/ccと可成り高い値を示すが, 3時間後では約1/3の21.8γ/ccに減少し, 以下時間の経過に比例して漸減を示した(第3表参照)・5)尿中SM濃度は長時間に亘つて高い値を示し時間の経過に比例して減少せず激しく増減を示した.亦各家兎間にも不規則なる値の動揺が認められた(第4表参照〉.6)腎組織内SM濃度は注射1時間後で9・3γ/ccと膀胱組織内SM濃度に比べて遙かに高い値を示すが, 3時間後では急に激減して1γ/cc以下に低下し, 以後次第に減少を示した.7)膀胱組織内SM濃度は注射1時間後では2・14γ/ccと腎のそれに比して低い値を示したが, 3時間後及びそれ以下の各時間のSM濃度値は腎のそれよりもむしろ高い値を示し, 且徐々に減少して行くのが認められた.8)上述の如くSMは尿中に常に高濃度に排泄されている.従つて膀胱病巣に対するSMの浸透経過としては, 組織内よりの浸透もさることながら, 尿を介しての浸透作用が重大なる作用機転と言わねばならぬ. Both streptomycin and isonicotinic acid hydrazide show excellent efficiency on experimental vesical tuberculosis of the rabbit, and streptomycin showed a better effect than INAH from the histological standpoint. I found that PAS and TB-1 has far less effect than streptomycin or INAH, and has almost no recognizable effect on tuberculous granulation tissue. |
URI: | http://hdl.handle.net/2433/111088 |
出現コレクション: | Vol.1 No.4 |

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