Transitional cell carcinoma in a pelvic kidney associated with recurrent lung cancer

Abstract

症例は66歳, 男性.肉眼的血尿と腹部腫瘤を主訴として入院した.2年前に肺扁平上皮癌のため右肺部分切除の既往歴がある, IVPで右無機能腎を認めた.RPにて右骨盤腎と診断されたが, 腎孟像に陰影欠損を認め, 腹部CTでは中心性壊死をともなった腎実質性腫瘍が強く疑われた.血管造影ではhypovascularな腫瘍であった.右腎摘除術を施行した.病理組織学的に, 腎実質への広汎な浸潤を有する腎孟原発移行上皮癌と診断された.患者は5か月後転移性腫瘍のため死亡したが, 組織学的にすべての転移巣は角化を有し, 転移性肺癌と診断された, 本例は腎孟癌であったが, その非定型的な特徴のため術前診断が困難であった.骨盤腎原発性腫瘍は現在までに文献上8例を数えるのみである.内訳は腺癌, 扁平上皮癌各3例, 腎孟未分化癌, 移行上皮癌各1例である.このうち扁平上皮癌は比較的高頻度であるが, 報告例は3例とも腎結石の合併をみ, 骨盤腎に水腎症, 尿路感染および尿路結石を合併する率が高い事実と関連していると推察される.自験例は移行上皮癌であり文献上第2例目である.

We report a case of transitional cell carcinoma of the renal pelvis arising in a pelvic kidney two years after resection of bronchogenic carcinoma. Primary cancer in a pelvic kidney has been rarely described and this is the second reported case of transitional cell carcinoma originating in a pelvic kidney and the first associated with recurrent lung cancer.