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タイトル: RENAL HEMANGIOMA : REPORT OF TWO CASES
その他のタイトル: 腎血管腫の2例
著者: Nishio, Shoichi
Kishimoto, Taketoshi
Nakanishi, Junzo
Yuki, kiyoshi
著者名の別形: 西尾, 正一
岸本, 武利
中西, 純造
結城, 清之
発行日: Apr-1976
出版者: 京都大学医学部泌尿器科学教室
誌名: 泌尿器科紀要
巻: 22
号: 3
開始ページ: 231
終了ページ: 240
抄録: 腎血管腫はまれな疾患の1つとされており,本邦報告例のほとんどが腎摘除後に確認されている。われわれは最近,膀胱タンポナーデをくり返し腎腫瘍の疑いで腎摘除術を施行したが組織学的に腎血管腫と診断された1症例ならびに腹部腫瘤を主訴とした1症例を経験したので報告する。症例1: 26歳,男性.主訴は膀胱タンポナーデによる尿閉。1971年1月, 11月, 12月に膀胱タンポナーデを起こして救急入院しているが詳細不明のまま経過し, 1972年l月5日ふたたびタンポナーデを訴えて当科に入院した。入院時理学的所見では瞼結膜蒼白,右側腹部に軽度の圧痛あり,膀胱洗浄にて多量の血塊を排泄した。 同時におこなった膀胱鏡所見では粘膜正常,右尿管口より出血を認めた。IVP所見は正常で選択的右腎動脈撮影では右腎中下部に径約1.8cm大の濃染部を認めpooling像を思わせる陰影が得られた。しかし腎静脈がとくに早く出現する像は認められなかった。以上の所見より右腎腫瘍の疑いで腎摘除術を施行した. 摘出腎は175g,12x7x5.5cmで表面平滑であったが、ところどころに小血腫がみられ,割面では下腎部の乳頭と皮髄境界部に出血巣を認めた。組織学的所見は異常血管のnestと尿細管の入り乱れた像でrenal hemangiomaのcapillary typeと診断された。症例2 : 67歳,家婦.主訴は右上腹部の無痛性腫瘤で約3ヵ月前より同腫瘤を触れていたが血尿など泌尿器系疾患に由来する症状は認めていない。理学的所見では肝濁音界が右鎖骨中線上第4肋間腔まで上昇しており右上腹部の腫瘤は表面平滑,弾性硬,境界不鮮明で呼吸性移動を認めた膀胱鏡所見は正常, IVPでは左腎は正常であったが,右腎杯の描出不良で腎孟,尿管は正常であった.選択的右腎動脈造影では腎動脈は細く,腎内動脈は枯枝状であった.右腎腫瘍の疑いで腎摘除術を施行,摘出腎は15x15x15cm,1750gで割面では腎の約2/3が海綿状の腫瘍組織で占められており,血塊および壊死組織が充満していた。組織学的所見は1層の内皮細胞で覆われた大小さまざまなlumenが海綿状にみられrenal hemangiomaのcavernous typeと診断された。以上腎血管腫の2例を報告するとともに本邦報告例37例について若干の考察を加え,また欧米での報告例とも比較検討を試みた.
URI: http://hdl.handle.net/2433/121941
出現コレクション:Vol.22 No.3

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