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rish_00800_069.pdf | 613.06 kB | Adobe PDF | 見る/開く |
タイトル: | SPring-8による木質文化財調査 |
その他のタイトル: | Identification of wood of archaeological heritages by SPring-8 |
著者: | 田鶴(水野), 寿弥子 杉山, 淳司 |
著者名の別形: | Tazuru(Mizuno), Suyako Sugiyama, Junji |
発行日: | 10-Feb-2013 |
出版者: | 京都大学生存圏研究所 |
誌名: | 生存圏研究 |
巻: | 8 |
開始ページ: | 69 |
終了ページ: | 72 |
抄録: | 古くより樹種特性と用途における明確な体系を確立してきた日本では、 木質文化財のうち特に、 宗教・信仰の対象物である木彫像や建造物の制作には、 何らかの意味・重要性をもつ樹種が選択されたと想像できる。 こうした樹種選択に認められる古の人々が構築し継承してきた 「知」 を、 科学的手法を活用することで多角的に十分に解明・理解することは、 千年持続してきた材料の秘密を深く掘り下げることに繋がり、 更には人類が歩もうとしている未来への確かな道標となると考える。 そのために以下の①②について従来の研究を基盤とした研究を展開してきた。 ①新手法シンクロトロン放射光X線マイクロトモグラフィーを用いた樹種識別法の構築とデータベース化: 従来、 樹種識別調査では木片から薄片を作成して顕微鏡観察を行う方法が一般的であった。 一方、 国宝や重要文化財では入手可能な試料の状態に問題が多いため、 試料の状態 (サイズ、 劣化度) に依らず識別が可能となる新手法、 シンクロトロン放射光X線マイクロトモグラフィーによる識別法を構築した。 この手法は非破壊・非侵襲であり、 2次元像しか得られないプレパラート観察に比べて組織観察が容易である他、 X線の吸収差により、 結晶の有無なども容易に検知できることが画期的である。 2011年度は、 体系的な調査が進んでいる仏像に比べて非公開を前提とされ調査機会が乏しかった神像や狛犬について、 調査地域を拡大し新たに120試料の樹種調査を行った。 その結果、 古代から中・近世に至る造像の展開を通観できる日本神像史の一端を構成するデータベース構築に寄与できた。 ②歴史的建造物における樹種の科学的調査とデータベース化: 樹種調査では、 未だ博物館や建造物修理工事の現場担当者などの采配や予算に依存している場合も多い。 しかし、 木質文化財の樹種識別適用不均衡を正し、 遍く調査を進めることが、 古の 「知」 を十分に理解する上で必要である。 そこで、 特に関西・北陸地域を中心に、 歴史的建造物に指定されている建造物の修理工事などに伴う部材の樹種調査並びに樹種情報のデータベース化を進めてきた結果、 特に北陸地方におけるアスナロ属利用の歴史と変遷の一端を解明できた。 |
URI: | http://hdl.handle.net/2433/184859 |
関連リンク: | https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/introduction/publication/humanosphere_research/ |
出現コレクション: | 8号 |
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