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タイトル: 冷温帯下部天然生林の更新技術 V : スギ天然生林の林分構造と現存量
その他のタイトル: Studies on the regeneration of natural forest on lower limit of cool temperate deciduous broad-leaved forest V : Biomass and growth in natural forest Cryρtomeria jaρonica
著者: 川那辺, 三郎  KAKEN_name
安藤, 信  KAKEN_name
著者名の別形: Kawanabe, Saburo
Ando, Makoto
発行日: 2-Dec-1988
出版者: 京都大学農学部附属演習林
誌名: 京都大学農学部演習林報告
巻: 60
開始ページ: 67
終了ページ: 76
抄録: 京都北東部, 京都大学戸生演習林の標高750mの尾根部にあるスギ天然生林の林分構造や現存量などを1980年に調査し, 1987年まで7年間同調査区の毎木調査を行って林分構造や生長量の変化を調べた。調査林分の胸高直径5cm以上の立木本数はha当り2247本, 胸高断面積合計は74. 1m_2で, このうちスギが本数の68. 1%, 胸高断面積合計の85. 2%を占めていた。林冠の上層を形成している胸高直径25cm以上, 樹高およそ15m以上のスギはha当り502本, 胸高断面積合計51. 2m_2で量的に林分の大部分をしめている。広葉樹は13種で本数の多いものはソヨゴ, リヨウブ, アオハダ, マルバマンサクなど, 胸高断面積合計の多いものはクリ, ソヨゴ, タムシバなどで上層を形成するスギの樹冠が破れたところに広葉樹の中径木が集中している。相対生長関係から推定したスギの幹量はha当り176. 8t, 幹材積456. 2m_3, 枝量24. 5t, 葉量23. 3tで, 葉量は一般のスギ人工林の量と大差がないが, 技量はかなり多い。樹幹解析から得た生長量をもとに推定した幹の年生長量はha当り5. 35t (13. 8m_3) であった。1987年の測定によればスギの本数は7年間で約9%減少し, 胸高断面積合計はha当り68. 9m_2で5. 8m_2増加した。広葉樹の本数は約18%減少し胸高断面積合計はha当り10. 4m_2で0. 6m_2減少した。広葉樹は7年間の生長量より枯死量が多かったことになる。このようなスギの優占した天然生林の施業法は次の2つの方法が考えられる。一つは, この天然生林の林冠の中, 上層のスギが林分蓄積の大部分をしめており, スギの同齢人工林と似た構造であることから, スギ蓄積の30%ほどを胸高直径30cm以上の上層木のうちクマによる剥皮被害などの被害木を中心に選木して, 人工林の上層間伐と同じような方法で択伐を行い, 残った林木の生長を促進し, 蓄積の質的向上をはかる。他は上層木の大部分を伐採する方法で, これによりスギの蓄積の約85%を伐採することになるが, 胸高直径5 - 25cmのスギがha当りおよそ1000本あり, これに伏条性稚樹を加えて後継樹の育成を計る。この伐採の後は人工林と同じような天然生スギの保育作業を集約的に実行する必要がある。いずれの方法も広葉樹のうちいわゆる有用広葉樹はスギと同じように保育する方法が適当であると考えられた。
A natural Cryptomeria japonica stand in Kyoto University Forest located at northern east part of Kyoto prefecture was studied for it's biomass and stem growth. The study plot was on near ridge at about 750m above seal level. The results are as follows 1. The stands contained 2247 trees over 5cm DBH per hectare, and basal area was 74.1m2 ha-1. 68% of trees and 85% of basal area were Cyptomeria japonica, and others were broadleaved trees in 13 species. 2. Biomass of Cryptomeria japonica was estimated based on allometric correlations between tree dimensions and dry weight of trees derived from destructive sampling. Stem biomass of Cryptomeria japonica amounted to 176.8t ha-1 in dry weight and 456.2m3 ha-1 in volume with bark. Branch was 24.5t ha-1 and leaf was 23.3t ha-1. 3. The annual increment of stem of Cryptomeria japonica was determined by stem analysis and amounted to 5.35t ha-1y-1 in dry weight (13.8m3 ha-1y-1 in volume). 4. Among the 7 years from 1980 to 1987, the basal area of Cryptomeria japonica was increased at the average rate of O.83m2 ha-1y-1 but the basal area of broadleaved trees was decreased in 7 years by the death of suppressed trees. It is supposed that the ratio of biomass of Cryptomeria japonica in this stand will be gradually increase.
URI: http://hdl.handle.net/2433/191918
出現コレクション:第60号

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