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タイトル: <総説>植物バイオマス由来抗ウイルス活性物質の探索
その他のタイトル: Antiviral compounds from plant biomass
著者: 成田, 亮  KAKEN_name
李, 瑞波  KAKEN_name
著者名の別形: Narita, Ryo
Li, Ruibo
発行日: 10-Nov-2015
出版者: 京都大学生存圏研究所
誌名: 生存圏研究
巻: 11
開始ページ: 42
終了ページ: 47
抄録: 地球温暖化などによる環境変動や、グローバル化による人・動物・物の移動が増加したことから、近年ウイルスをはじめとした感染症のリスクが高まっている。本稿では、再生可能な持続資源として注目を集めている木質バイオマスの中で、木竹酢液の生理活性に着目した研究成果を紹介する。木竹酢液は、木竹炭を製造する際に副次的に得られ、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの熱分解生成物などから構成される。木竹酢液は古くから消毒、殺菌などに使用されており、様々な生理活性を有するバイオマスであるが、ウイルスなどの病原体に対する活性についての検討は十分ではない。そこで、未利用バイオマスから薬効成分・生理活性物質を生産し、人の健康や安全な生活に貢献するという新しい研究領域を開拓することを目的として著者らが最近行っている、木酢液、竹酢液の抗ウイルス活性についての成果も併せて紹介する。とりわけ、2010年に宮崎県で発生した家畜伝染病、口蹄疫の原因ウイルスである口蹄疫ウイルスなどに対する消毒薬への応用を視野に入れ、木竹酢液に含まれる抗ウイルス活性物質の探索を行った結果について詳述する。これまでに、口蹄疫ウイルスと同じピコルナウイルス科に属する脳心筋炎ウイルスを用いて木竹酢液の抗ウイルス活性の検討を行い、木竹酢液は酸性条件下で強い抗ウイルス活性を示すことが明らかになっている。また、木竹酢液に含まれるphenolと酢酸が相乗的に抗ウイルス活性を示すことを示した。われわれの実験結果では、ヒノキ由来の木酢液原液が中性条件下においても抗ウイルス活性を示したことから、この画分に含まれる抗ウイルス活性物質の探索を行った。成分分画と抗ウイルス活性の検討により、精製したフラクションに抗ウイルス活性物質が含まれることを示した。本稿では、研究課題に関連する今後の展望についても簡単に言及する。
URI: http://hdl.handle.net/2433/225778
関連リンク: https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/introduction/publication/humanosphere_research/
出現コレクション:11号

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