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2043-19.pdf | 603.43 kB | Adobe PDF | 見る/開く |
タイトル: | 頑固さの進化 (第13回生物数学の理論とその応用 : 連続および離散モデルのモデリングと解析) |
その他のタイトル: | Evolution of stubbornness (Theory of Biomathematics and its Applications XIII : Modeling and Analysis for Discrete and Continuous Models) |
著者: | 黒川, 瞬 |
著者名の別形: | Kurokawa, Shun |
発行日: | Sep-2017 |
出版者: | 京都大学数理解析研究所 |
誌名: | 数理解析研究所講究録 |
巻: | 2043 |
開始ページ: | 116 |
終了ページ: | 120 |
抄録: | 協力行動の存在は説明を要する。繰り返し相互作用において、「相手が協力すれば協力する。相手が協力しなければ協力しない。」という行動をとった場合、協力行動は進化しえ、これは直接互恵性と呼ばれる主要なメカニズムである。直接互恵性は、相手の(過去の)行動に関する情報が使えることを前提としているが、相手の行動に関する情報はしばしば不完全である。そして、相手の行動に関する情報がない場合の選択肢として、種々考えられるが、ここでは、(i)相手の行動に関する情報がない場合は、ある決まった確率で協力をする。(ii)相手の行動に関する情報がない場合は、自分の過去の行動を参照する。という2つの選択肢を考える。(ii)の選択肢は、(i)の選択肢よりも、有利になりえるのだろうか?すなわち、自分の過去の行動は、進化する上で有益な情報なのだろうか?今回、私は、繰り返し囚人のジレンマにおける、条件付協力者と無条件非協力者のゲームを考える。そして、ALLDの侵入に対する安定性を調べたESS解析の結果、(ii)の選択肢の中でも、とりわけ、相手の行動に関する情報がない場合は、自分の過去の行動を踏まえて、「自分が前回の相互作用において協力していれば協力する、非協力していれば非協力する」という頑固な行動をとった場合、(i)の選択肢よりも、ESSになるための条件は緩い、すなわち、進化しやすいことを発見する。この結果は、自分の過去の行動は、進化する上で有益な情報であることを意味するが、報復的な行動を個体がとる場合、頑固な行動は一種の報復的な行動である、とみなせることから解釈できる。 |
URI: | http://hdl.handle.net/2433/236966 |
出現コレクション: | 2043 第13回生物数学の理論とその応用 : 連続および離散モデルのモデリングと解析 |
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