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タイトル: 朱権『活人心』の朝鮮と日本における伝播 --諸本の比較を通して--
その他のタイトル: The spread of HUO REN XIN by Zhu Quan in Korea and Japan --Comparative study based on various versions--
朱権<<活人心>>在朝鮮和日本的傳播 --從版本比較入手--
著者: 劉, 青  KAKEN_name
著者名の別形: LIU, Qing
発行日: 20-Dec-2018
出版者: 京都大学大学院人間・環境学研究科
誌名: 人間・環境学
巻: 27
開始ページ: 237
終了ページ: 254
抄録: 明代において, 養生学は前代よりさらに発展し, 印刷出版技術も高度に成長を遂げた. それに伴い, 官刻とともに私刻, 坊刻が盛んになり, 多くの医学書, 養生書が著され, これらの文化は一般民衆の生活に深く影響を及ぼした. 当時において, 中国と朝鮮の医学交流は非常に頻繁になされており, 多くの医学書が朝鮮に伝来した. 日本においては, 朝鮮や中国から伝来した医学書を通して, 知識人たちは競うように最新の明医学を導入し, それに伴い明医書の翻刻と出版も盛んに行われ, 明医学は日本の江戸医学にも影響を与えた. 概して明代医学書は, 明清医学の周辺地域への伝播及びその学的発達を考える上で重要な位置を占めている. しかし, 明代の医学書, 特に養生書の東アジア医学史における位置づけの問題については未だ解明されていない点も多い. 本稿では, 明初の王室貴族朱権に着目し, 中国で刊行され, 朝鮮, 日本で広範に読まれた彼の養生著作『活人心』を手がかりに, 諸本の網羅的な研究によって, 上で述べた問題を解決することを目的とする. まず, 筆者は各地に散在している『活人心』を集め, 系統的に分類, 整理した. そして刊刻地域, 蔵書印, 序文跋文等に基づき, それぞれの性格を明らかにした. 次に, 朝鮮や日本で書かれた養生著作に注目し, それらと『活人心』の書承関係について分析した. 引用書に選別された部分から本書の受容について検討を試みた. 最後に, 諸版本の性格と他国医学著作の書承関係を踏まえ, 『活人心』の流布経路の素描を試みた. 特に, 現在でもよく用いられる朝鮮版本を中心的に考察し, 成書経緯を推定した. 朱権の思想は, 伝統的な養生史に新たな方向性を与えたと言うことができる. そのため, 『活人心』の位置づけによって, 東アジア全体における養生思想の特徴と展開を窺い知ることができる. 朝鮮, 日本における『活人心』及び明初の養生思想の具体的な受容と, その朝鮮化, 日本化における独自の展開については, 今後検討していくべき課題である.
明代, 出版技術得到了高度發展, 除了官刻印書之外, 還出現了坊刻和私刻. 因此, 大量的醫學和養生書得以刊刻, 並進入了一般民衆的生活. 而在這個時期, 中國和朝鮮的醫學交流也十分興盛, 很多的醫書在這個時期傳入朝鮮半島. 同時, 日本的知識分子也爭相引入明代醫學, 對明代醫書的翻刻和出版也迎來了新的高潮. 可以說, 由於明代醫書的傳播, 對整個東亞地區醫學的形成和發展, 都產生了深遠影響. 然而, 對於明代醫書, 特別是養生書籍在整個東亞醫學史上的定位問題, 還十分的不明確. 本論文, 試從明初文人, 同時也是王室貴族的朱權入手, 通過對他的代表性養生著作<<活人心>>的整體分析, 來解決以上問題. 首先, 作者收集了散存在東亞各地的版本, 進行了系統的分類和整理. 通過刊刻地, 藏書印, 序文跋文等信息, 來明確各個版本的特點. 其次, 著眼於朝鮮, 日本醫書對<<活人心>>的引用和藉鑒, 通過引用書籍來看本書的受容問題. 最後, 基於以上兩點, 作者試著勾勒出了本書的流傳路徑. 另外, 對於在當今經常被使用的朝鮮版本, 作者特別進行了成書過程的推測. 朱權的思想, 可以說為養生史的發展提供了新的方向. 因此, 通過對此書定位的分析, 可以管窺到整個東亞地區養生思想的特徵及發展. 然而, 對與<<活人心>>的繼承, 以及朝鮮, 日本各自區域獨特化的展開, 還將作爲今後的課題, 深入研究.
著作権等: ©2018 京都大学大学院人間・環境学研究科
URI: http://hdl.handle.net/2433/237358
出現コレクション:第27巻

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