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タイトル: <論説>ローマ元首政期におけるフィスクスの性格と元首 : ディゲスタ、四三・八・二・四の解釈をめぐって
その他のタイトル: <Articles>On the Legal Character of the Fiscus and the Principes in the Principiate
著者: 米田, 利浩  KAKEN_name
著者名の別形: YONETA, Toshihiro
発行日: 1-Jan-1993
出版者: 史学研究会 (京都大学文学部内)
誌名: 史林
巻: 76
号: 1
開始ページ: 95
終了ページ: 120
抄録: 本稿では、ローマ帝政期におけるアエラーリウムと並ぶ今ひとつの「国庫」であったフィスクスについて、その歴史的生成過程について一瞥を加えるとともに、特にその法的性格について、公けの場所及び公道に関する特示命令はフィスクスに属する場所には適用されないと説く三世紀の法学者ウルピアーヌスの法文を主な手掛かりとして、検討を加えた。法理論上の整合性の問題はともかくとして、ウルピアーヌスはフィスクスをローマ国民にではなく元首という個人に帰属する公けのものとして把えていた。このような理解は、フィスクスが「公―私」という範疇では単純にはわりきることのできない、公と私の二面性を兼ね備えた性格を持っていたことを示しているが、フィスクスのこのような性格は、元首の国家財政に対する統轄権が、法理論の上からは、「公―私」のいずれとも性格づけることのできないものであったことを示していると同時に、共和政の伝統を「公的なもの」として前提としながらもそこには依拠しなかった元首権力のありようを端的に示すものでもあった。
The Severan jurist Ulpian states that the interdiction concerning public places does not apply to those places which belong to the Fiscus, i.e. the imperial treasury, on the grounds that the property of the Fiscus is, as it were, (quasi-)private property of the Princeps (Dig., 43, 8, 2, 4). This statement clearly shows Ulpian's understanding of the Fiscus, namely, that the properties of the Fiscus are public ones of which the Princeps as a private individual is in absolute control. After a brief survey of the historical process of the Fiscus as imperial treasury, this paper attempts to show that this dual character of the Fiscus is due to the character of the Princeps's control over the finances of the state, which can not be in strict law characterized as public or as private.
記述: 個人情報保護のため削除部分あり
DOI: 10.14989/shirin_76_95
URI: http://hdl.handle.net/2433/239208
出現コレクション:76巻1号

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