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タイトル: シュメール都市國家時代の家族に就いて : 血族と稱呼との考察
その他のタイトル: The maternal Structure of the Sumerian Family
著者: 中原, 與茂九郞  KAKEN_name
著者名の別形: Nakahara, Y.
発行日: 5-Apr-1950
出版者: 史學硏究會 (京都大學文學部内)
誌名: 史林
巻: 33
号: 2
開始ページ: 164
終了ページ: 179
抄録: 本稿に於てはメソポタミア文明の創始者シュメール民族の都市國家時代の一都市國家ラガシュを中心として歷史時代に入つてまもない初期のシュメール人の家族を血統と稱呼組織とに限定して考察したのである。これは本格的家族研究の立場からいえば序論的なものに過ぎないものである。最初に血緣關係を内容的に規定する血統觀念即ち血緣傳承樣式-父系制、母系制、父母兩系制-をウル・ニーナ王からグデア王まで、神殿文書や國王碑文等の根本文献によつて實證的に探究した。都市國家時代に於ては個々の事例では父系が壓倒的ではあるが、そして、記錄的には小量の事例が女系によつて即ち婿によって血統が傳えられたことを示し、且つグデアの時代には女子の家督相續が男子がない場合という條件付で國王によつて規定されたりなどしているので血統は父母兩系によつて傳えられたと考えてよい。次に宗敎思想のうちに血統觀念が如何に反映されているかを宗敎的文献や國王碑文によつて考察した。シュメール宗敎のパンテオンに於ける神々の生活は人間生活の反映であると說くラドウ博士の說に一部同意しながら神々の相互關係を探究して見た。神々の世界に於ける血統は女牲によつて傳えられていることが記録的には壓倒的に多い。ことに神々と都市國家及市民との關係に於ては都市國家及市民の母という表現はあつても父という表現は見られない。男神と國家との關係は政治的表現であり女神と國家との關係は社會的表現であろう。 最後に稱的組織を家族及親族に關する根本文献に求め、これの解釋を試みた。舅、姑、姪、婿の四つの稱呼はいずれも女・男の二字を前置している熟語で、これは特殊な關連をもつた稱呼で、これの考究がシュメール親族關係の解明の鍵となるものであるが、末だ結論的解明の域に達していないので本稿にそれの論議は割愛することゝした。
DOI: 10.14989/shirin_33_164
URI: http://hdl.handle.net/2433/248918
出現コレクション:33巻2号

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