ダウンロード数: 79
このアイテムのファイル:
ファイル | 記述 | サイズ | フォーマット | |
---|---|---|---|---|
rish_01600_45.pdf | 4.67 MB | Adobe PDF | 見る/開く |
タイトル: | <解説・資料>重要文化財願興寺本堂保存修理工事における用材調査 第二報 |
その他のタイトル: | Wood identification of old wooden members in Ganko-ji temple designated as national heritage (Second report) |
著者: | 田鶴, 寿弥子 杉山, 淳司 |
著者名の別形: | Tazuru, Suyako Sugiyama, Junji |
発行日: | 20-Nov-2020 |
出版者: | 京都大学生存圏研究所 |
誌名: | 生存圏研究 |
巻: | 16 |
開始ページ: | 45 |
終了ページ: | 50 |
抄録: | 今から400年以上前に地域の民衆により再建された願興寺本堂の修復工事に際して様々な部位の部材について樹種調査を行った結果、11樹種にも及ぶ多種多様な樹種が使用されていることが判明し、先に第一報を「生存圏研究」にて報告した。その調査では、特に柱材について建物の正面と背面、或は内部で樹種を何らかの規則に沿って選択している可能性が示唆された。その後の修理工事において、本堂のすべての柱材から樹種識別用試料の採取が可能となったことから、本研究では残りの柱材27点についても追加調査し、柱材48点すべての樹種調査を行うことで樹種の配置の規則性や用材観といった知見を拡充することとした。その結果、本堂正面には、ケヤキとムクノキといった広葉樹が多用される一方、背面においては、モミ、スギ、ニヨウマツ類などが多用されていることなどが判明した。日本の古建築においてケヤキやマツが主要材料として利用されはじめたのは12世紀と言われているが、その背景には中世の社寺造営の増加が関与しているとされている。工具の発達などもあり、近世にはヒノキの時代からケヤキ・マツによる普請がもてはやされた。特にケヤキは強度もさることながら特有の木目の意匠性が重視されたこともあり、ケヤキの化粧材としての利用は増えていったとされている。今回の調査により、16世紀に建築された願興寺本堂においても意匠性の高いケヤキは正面に配置する点など、当時の人々が限りある予算や材料と向き合い、格の高い建造物を目指していたことを裏付ける結果を得た。 |
URI: | http://hdl.handle.net/2433/265065 |
関連リンク: | https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/introduction/publication/humanosphere_research/ http://hdl.handle.net/2433/245066 |
出現コレクション: | 16号 |
このリポジトリに保管されているアイテムはすべて著作権により保護されています。