トランスパレントソイルを用いた堤防決壊プロセスの可視化に関する試み

Abstract

近年の局地的集中豪雨の出水において, 堤防決壊などの甚大な被害が報告されている. こうした被害を軽減するためには, 破堤時の堤体内の物理的メカニズムを解明し, 対応策を検討することが必要である. 本研究では, 模型堤防の決壊時における堤体内の飽和度分布を求め, そのプロセスを考察するため, 地盤工学の分野で利用されているトランスパレントソイルに着目し, 越流水と堤体材料にヨウ化ナトリウム水溶液と石英を適用して, 破堤の水理模型実験を行った. そして, 得られた画像から画像解析を行うことで, 堤体内の飽和度の可視化を試みた. その結果, トランスパレントソイルを用いることで, 珪砂では示すことができなかった堤体内の飽和度分布の時間変化を可視化できることを示した.

Levee breaching occurs recently during floods in torrential rain and causes severe damages in landside area. For disaster mitigation, it is of great importance to understand the mechanism of flows and sediment transport in the breaching process and consider countermeasures. In this study, to obtain spatial distribution of saturation and examine the breaching process, hydraulic experiment of levee breaching due to overtopping flows is carried out, using transparent soil. Then, conducting image analysis, visualization of saturation in the embankment body is shown, which cannot be obtained in the case of sand.