ダウンロード数: 0

このアイテムのファイル:
このアイテムは一定期間後に公開されます。
公開日については,アイテム画面の「著作権等」でご確認ください。
タイトル: 宇宙線生成核種の深度プロファイリングによる変動地形の形成年代決定法の確立と適用
その他のタイトル: Depth profiling of terrestrial cosmogenic nuclides for dating tectonic landforms
著者: 松四, 雄騎  KAKEN_name
著者名の別形: Matsushi, Yuki
発行日: May-2022
出版者: 松四 雄騎
開始ページ: 1
終了ページ: 7
論文番号: 共同研究(拠点研究・一般推進) 2021A-04
抄録: 本研究では,地表近傍の造岩鉱物中に生成・蓄積する宇宙線由来の同位体(地上宇宙線生成核種: TCN: terrestrial cosmogenic nuclides)を用いて,地形の形成年代を決定する手法を確立し,それを変動地形の発達史復元に適用して,活断層の長期的な変位速度の評価に応用することを目的とする.確度の高い地形形成年代値を得るため,TCN深度プロファイリングと呼ばれるアプローチを採用し,新しい核種蓄積の数理モデルを構築するとともに,それを現実の地形に応用して方法の適用性を精緻に検討する.研究対象として,活動度が高いと推定される一方で,その確実な評価が未だ定まっていない濃尾断層帯の北方域を選定し,根尾谷断層および温見断層によって切断された河成段丘を手法適用の対象に選定した.まず,航空レーザー測量に基づく細密地形情報を参照しながら地形の形成過程を定性的に復元したうえ,段丘面において試孔を掘削し,複数深度で段丘堆積物を採取して,石英中のTCNである¹⁰Beを加速器質量分析により測定した.次に,得られたTCN深度プロファイルに対し,モデルカーブをフィッティングさせることで,段丘面の離水後の風成物による埋積および離水前の土砂の生産輸送履歴を反映した継承核種量を考慮した,高確度・高精度の段丘離水絶対年代を得た.分析の結果,段丘堆積物中の石英に含まれる¹⁰Beの濃度は,深度方向に指数関数的に減衰し,ゼロに漸近するプロファイルを示すことが明らかとなった.このことは,堆積物の定置時点での継承核種量がおおむね無視できる程度であったことを示唆する.解析の結果,対象とした河成段丘は,最終氷期最盛期に離水したことが明らかとなった.段急崖と段丘面の変位量に基づき,断層の活動度を定量的に評価したところ,従来よりも有意に確度の高い横ずれ変位速度を決定することができた.本プロジェクトにより,変動地形学におけるTCNの有用性が示され,さらに大型のプロジェクト立案と研究費獲得へとつながった.宇宙線生成核種の生成率算出やモデル解析の補助として参加した大学院生に対する教育的波及効果も大いに得られた.
目次: 概要 [1]
1. 研究の背景と目的 [3]
2. 研究計画・方法 [3]
3. 結果および解析 [6]
4. まとめ [6]
引用文献 [7]
記述: 研究代表者 : 京都大学防災研究所 地盤災害研究部門 松四雄騎
著作権等: 許諾条件により本文は2025-04-01に公開.
URI: http://hdl.handle.net/2433/278042
出現コレクション:宇宙線生成核種の深度プロファイリングによる変動地形の形成年代決定法の確立と適用

アイテムの詳細レコードを表示する

Export to RefWorks


出力フォーマット 


このリポジトリに保管されているアイテムはすべて著作権により保護されています。