京大人社系URAの取り組みの変遷とこれから

Abstract

人文・社会科学分野における研究支援とはどのようにあるべきか。この問題意識のもと京都大学の人社系URAは、理系の学問と比較した時の人社系の特徴、例えば「研究に必要な資金の額が少ない」「チーム研究より個人型研究が多い」等を考慮し、またそれまでの部局URA室の活動をふまえ、2016年度に「外部資金獲得プロジェクト」「資源整備・成果発信プロジェクト」「研究力の可視化プロジェクト」からなる「人文・社会科学系研究支援プログラム」を始動した。その過程において、複数の大学を結ぶ人社系URAネットワーク等の立ち上げにも参画した。2022年、京都大学に設置された人と社会の未来研究院においては、社会発信、新分野創成、社会連携という3本の柱のもと、SNSやポッドキャストから出版まで多様なメディアを活用した社会発信事業に加え、融合研究創成や社会連携企画に向けた事業を立ち上げた。2023年度からはKURA人文・社会系部門として、融合研究・新分野創成に向けた事業を始動させている。京大人社系URAの活動を人社系研究支援の一事例としてとらえ、その総括をすることで今後の研究推進に関する知見を求める。