4: ナムディン省ブバーン県タインロイ社コックタイン農業生産合作社およびの農民世帯への工業区と工場の影響 (日本語要旨、ベトナム語論文)

Abstract

本セミナーでの各研究者の国内外に関する報告のとおり、農村の余剰労働力の課題を解決するためにドイモイ以降、研究者らが多大な努力を重ねていることを、筆者は間近に見てきました。コックタイン農業生産合作社では、過去10年間だけでも国内外の横断的な研究分野の大学教員や博士を受け入れてきました。そこで、本稿ではまず我々の合作社の発展過程およびその特徴を簡潔に紹介し、次に工業区の開発による変化について触れ、最後にコックタイン農業生産合作社と工業区がともに持続的な発展を目指して取り組むべき課題を提示しています。第一にコックタイン農業生産合作社の特徴として、土地は肥沃であり、労働力も豊富で、栽培計画も積極的に改善に務めていることを指摘します。第二にはナムディン市という一大市場に隣接しており、換金作物の栽培に優位性があります。合作社には1, 009世帯あり、3, 782人の人口と2, 227人の労働力を有しており、8つの生産隊に分かれています。つぎに、現在直面している課題として、若者たちへの教育機会の提供があげられます。若者たちに知識や情報、近代的な技術を修得させるには、大学や専門学校、職業訓練校への進学機会の提供が必要です。そのことによって、若者世代の高収人につながり、家計も豊かになることができるのです。工業区の開発によって村落内の若年層、特に大学や専門学校へ進学しない若者たちの仕事場が身近に創出されました。合作社地域では、毎年約100人の労働力を輩出しています。かれらは、一つには従来通り、国内省外への出稼ぎに就きます。そのおかげで、家計は確かに改善しています。もう一つは、省内の工業区への通勤型の就労です。現在合作社地域の労働力の推計19％が工業区に勤務しています。かれらは月収約100万ドンで、地域でみると約4億2400万ドンが工業区からの収入となり、106トンの籾価格に相当します。このような収入だけでなく、近隣工業区への通勤型就労が可能になったことで、“Ly N《ng mμ Kh《ng Ly Hư-ng” (離農不離郷)を実現しているのです。このことは、繁忙期の農作業の手伝いを可能とし、村落の農業の維持にも貢献しています。最後に、3点の取り組むべき課題を提示します。一つ目は、このようなセミナーを通じて農村住民の意識を改革する必要があります。「教員職を好むも職人にはならない、国家公務員になりたいだけで、国営企業以外は望まない」などの意識改革です。二つ目は、国には職業訓練支援やインフラ整備などによって地域の雇用の創出をさらに加速していただきたい。三つ目は、職業訓練についても、実践的な訓練が必要であり、その結果生産性を高め、高収入の職に就き、持続的で安定した生活が保障されるのではないでしょうか。