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タイトル: <論文>北タイにおける水稲の単位面積当り収量と収量の構成
その他のタイトル: <Article>Paddy Yields and Their Components in Northern Thailand
著者: 渡部, 忠世  KAKEN_name
著者名の別形: Watabe, Tadayo
発行日: Mar-1967
出版者: 京都大学東南アジア研究センター
誌名: 東南アジア研究
巻: 4
号: 5
開始ページ: 871
終了ページ: 886
抄録: 1) 北タイの水田の平均単位面積当り収量は多くの東南アジア諸国, あるいはタイ国のどの地区よりも高い。この原因は主として灌漑施設が比較的発達していることによる。この地区の水稲栽培面積の約91%を占めるモチ品種が, ウルチ品種よりも収量が多いという明確な証拠はない。2) 北タイの34点の水田の単位面積当り収量をしらべた結果によると, 一般に単作田では低く, 二毛作田では高い傾向が認められる。この2つの水田類型は, 単に水利の便・不便という点を異にしているだけでなく, 裏作物の栽培過程を通して, 土壌の肥沃性にも相違があることがわかる。3) 単作田, 二毛作田の稲について, それぞれ穂数, 一穂頴花数, 千粒重および登熟歩合の収量構成要因と収量との関係を検討してみると, 次の傾向がうかがえる。いずれの水田においても, 単位面積当り穂数の過少が収量を制約している。この対策として単作田では密植によって単位面積当りの穂数を増加させることが望ましく, 一方の二毛作田では一株穂数を増加させることが必要である。このために二毛作田では, ある限度以上の密植は不得策である。一穂頴花数の多いことは二毛作田では収量増加に関係する。また登熟歩合は, いずれの場合にも収量増加の要因となるが, 千粒重と収量との間には明瞭な関係はない。4) 単作田においては, 公共的施策による灌漑施設の充実が, あらゆる技術的対策に先行しなければならない。すでに灌漑施設の整備された二毛作田においては, 各種の技術的対策による増収の可能性が著しく大きい。このことはYield Contestの結果からも確信できる。特に施肥による効果は最も顕著であるが, これに伴って, 栽植密度や栽培時期などについて再検討を要する問題が多いと考えられる。この調査全般の計画と実施にわたって, 多くの人達のご援助を頂いたことを深く感謝したい。そのご芳名は別稿の最終報告にかかげさせて頂いて, あらためてお礼を申し述べる積りである。ここでは, とりあえず本稿に記述した部分のとりまとめについて直接にご指導頂いた京都大学農学部の長谷川浩教授と川口桂三郎教授およびFAOの高橋治助博士に深甚の謝意を申し上げる。
記述: この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
URI: http://hdl.handle.net/2433/55344
出現コレクション:Vol.4 No.5

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