Urban Migration and Cross-Border Networks : A Deconstruction of the Akha Identity in Chiang Mai (<Special Issue> Inter-ethnic Relations in the Making of Mainland Southeast Asia)

Abstract

(タイ北部の都市)チェンマイに移住する山地民は近年急速に増加している。チェンマイ在住のアカ族を対象に彼らの移動とネットワークのダイナミズムにせまり, アカ族アイデンティティーの現代的様相, 将来の展望を検討する。かつてアカ族の慣習(ザン)がアカ族アイデンティティーの拠り所とされてきたが, 村においても都市においても彼らを取り巻く環境は著しく変化した。キリスト教化が進み, 中国人としてふるまうオプションも加わった状況はアカ族からタイ人への移行というかつての分析枠組みでは捉えきれない。そこで, 個人レベルの人間関係に焦点をあて, 実際のそれぞれの場面で異なる役割, 期待, 仲間意識, 行為を分析することによって, 彼らを取り巻く政治・経済的状況, 相手との力関係, ライフステージに応じて臨機応変に変化するアイデンティティーの生成過程を解明しようと試みた。