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タイトル: 新会計基準にみる会計思考の特徴と展開方向 : 「わが国財務会計思考の再検討」草稿
著者: 藤井, 秀樹  KAKEN_name
著者名の別形: Fujii, Hideki
発行日: Dec-2007
出版者: 京都大学大学院経済学研究科
引用: 藤井秀樹. 新会計基準にみる会計思考の特徴と展開方向 : 「わが国財務会計思考の再検討」草稿. 京都大学大学院経済学研究科Working Paper. J-65. 2007.12.
誌名: 京都大学大学院経済学研究科Working Paper
号: J-65
抄録: 会計基準のコンバージェンスを主要な目的の1つとして1990年代末から取り組まれてきた大規模な会計制度改革1のもとで,わが国の会計思考はどのような展開を遂げてきたのか。とりわけわが国の伝統的な会計思考と,一連の新会計基準の基底に流れる会計思考は,どの点で連続し,どの点で連続していないのか。本稿では,こうした問題を,基本的な会計等式の1つとされる資本等式の理論的含意を検討の手がかりとすることによって,試論的に論じてみたいと思う。本稿で,資本等式の理論的含意に依拠した検討を試みる主たる理由は,以下の2つである。第1は,わが国における会計思考の展開を論じるという作業それ自体は一般に,極めて広範な領域や論点にわたるものとなる性向を有するので,一定の理論的枠組みのもとにその作業を進めなければ,議論が過度に拡散してしまう可能性があるということである。このような多少なりとも包括的な検討課題を遂行するさいには,会計研究2の領域で比較的よく知られた基礎概念を検討の枠組みとするのが,分かりやすさの点では1つの望ましい論証手法となるであろう。資本等式がわが国における伝統的な会計思考を具現した唯一の会計概念とはいえないであろうが,資本等式に言及していない簿記関連文献(とりわけ簿記テキスト)は今日でもほとんど皆無であることから,当該等式がわが国における伝統的な会計思考を具現した主要な会計概念の1つであると考えることは許されるはずである。第2は,近年の一連の会計制度改革を通じて「純資産≠資本」という関係が基準化され(後述参照),伝統的な意味での資本等式すなわち「資産-負債=資本」が今日の制度会計においては成立しなくなっているということである。したがって,近年の会計制度変化の思想的深層,とりわけ新会計基準における伝統的な会計思考の(非)継承関係を浮き彫りにするうえで,資本等式の理論的含意は格好の評価尺度を提供するものとなっているのである。本稿での検討が,新会計基準の会計思考上の諸特徴を洞察するさいの一助ともなれば幸いである。
URI: http://hdl.handle.net/2433/65637
出現コレクション:Working Paper (日本語論文)

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