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KJ00004786756.pdf | 460.72 kB | Adobe PDF | 見る/開く |
タイトル: | 銅酸化物高温超伝導の機構 |
著者: | 西村, 久 |
著者名の別形: | Nishimura, Hisashi |
発行日: | 20-Sep-1989 |
出版者: | 物性研究刊行会 |
誌名: | 物性研究 |
巻: | 52 |
号: | 6 |
開始ページ: | 662 |
終了ページ: | 673 |
抄録: | 層状のCuO_2面をもつ銅酸化物における高温超伝導体の母体,例えばLa_2CuO_4,YBa_2Cu_3O_<6.3>,Nd_2CuO_4など,は絶縁体ないしは半導体として知られている。これらのhalf-fillingの状態にある強く相関した電子系はハバード・モデルで記述されうると考えられるが,ドーピングなどによって低密度のキャリアー(正孔または電子)が注入されたときに発現する超伝導が問題の高温超伝導である。ここで提案される機構は,付加されたキャリアーの電荷密度の揺らぎ(プラズモン)を媒介とする引力がハバード・モデルの反発力を凌駕するときにクーパー対が作られて超伝導が生起すると考えるものである。提案されるモデルは,付加された低密度キャリアーの濃度の増加とともに有効ハバード相互作用が正から負に,そしてまた通常の正になるという,実験事実に符合した統一的な立場で現象を記述することができる。すなわち,付加的なキャリアーの濃度が0に近いときには,もとの反発力ハバード・モデルによって電子系は強い磁気的相関(銅酸化物においては反強磁性的)を示す絶縁体として説明される。キャリアーの濃度が適当に低い領域においては有効なハバード相互作用は負になり,高温超伝導が導かれる。また,キャリアー濃度がさらに高いときには,クーパー対を作る相互作用は小さくなって有効相互作用は再び正にもどり,超伝導は消滅する。そこではキャリアー系はもとの電子系に埋没して全系は通常の金属になる,という統一的な記述である。 |
記述: | この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。 |
URI: | http://hdl.handle.net/2433/93761 |
出現コレクション: | Vol.52 No.6 |
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