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タイトル: シシャパンマ峰登山中における造血動態の経時的検討
その他のタイトル: Sequential Analysis of an Erythropoietic Drive at High Altitude
著者: 足立, みなみ  KAKEN_name
瀬戸, 嗣郎  KAKEN_name
著者名の別形: Adachi, Minami
Seto, Shiro
発行日: 21-May-1991
出版者: 京都大学ヒマラヤ研究会
誌名: ヒマラヤ学誌
巻: 2
開始ページ: 103
終了ページ: 108
抄録: 1990年, シシャパンマ峰(8027m)登山中の日本人隊員, 男性22名, 女性2名において, 低酸素刺激に対する造血系の賦活の動態を検討した. エリスロポエチン(以下, エポ)は, 高所到着後24時間以内に速やかに上昇し, その後より強い低酸素刺激に曝露される度に産生充進が認められ, 全経過において3峰性の変動を示した. C3(6920m)では, 平均575mU/mlに達した. また低酸素刺激が続くにもかかわらず, 2回のエポ・レベルの谷も認められた. エポによる造血系のパルス様刺激に伴い, 数日後に末梢血液中に網状赤血球数の増加が確認された. 網状赤血球数は登頂前の前進ベースキャンプ(5640m)にてピークを迎え, 造血能力の上限が示唆された. 最初のエポによる刺激から2週後に, ヘマトクリツトが有意に上昇し始めた. C3では平均64%に達し, うち4名では70%と著明な多血症を呈した. こうした造血のこう進に伴い徐々に鉄欠之に陥った. エポ分泌に関しては, 個人差が大きく, 低酸素に対する反応性, 反応量について厳密に遺伝的に規定されていることが示唆された. しかしながら, 21才から60才までの分布において, エポ産生能力, 造血能力に関しては年齢による差は認められなかった. 女性はいずれも低反応であった. 以上, 低酸素刺激に対するエポ産生応答の生理学的知見が多く得れ, 高所における造血のtime courseと多血の程度が明かとなった. 酸素運搬能力の改善という適応の面からは正の評価が与えられるが, 血液粘ちょう度のこう進のデメリットについて, 循環器系の適応や個々人の高山病症状との関連から今後検討をすすめる必要があると思われた.
DOI: 10.14989/HSM.2.103
URI: http://hdl.handle.net/2433/185528
出現コレクション:第2号

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