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タイトル: <特集論文 : 証言・告白・愁訴 --医療と司法における語りの現場から>序・語りを架橋する --異なる「正しさ」を持つ語りについての試論
その他のタイトル: Bridging Narratives with Different Accuracies
著者: 澤野, 美智子  KAKEN_name
著者名の別形: SAWANO, Michiko
キーワード: 語り
対話的構築主義
アクティヴ・インタビュー
鉤括弧
「正しさ」
narrative
interactive constructionism
active interview
quotation mark
accuracy
発行日: 31-Aug-2019
出版者: 京都大学大学院人間・環境学研究科 文化人類学分野
誌名: コンタクト・ゾーン
巻: 11
号: 2019
開始ページ: 235
終了ページ: 248
抄録: 語りについて論じた先行研究は、本稿で検討する諸概念に見られるように、文化人類学や質的社会学、口述史などの質的調査において学問上の目的からインタビューがなされる場合が主に想定されてきた。ナラティヴ研究で扱われてきたような、語りの「正しさ」(accuracy)や集め方・捉え方が問題になってくるのは、必ずしも学問上の目的からなされるインタビューに限らない。より実践に近い場で対話や説明がなされるときも同様の事柄が問題になりうる。ただし、実践現場で語りが発せられ受けとめられる状況は、質的調査のインタビューとは異なりうるため、質的調査を通して議論されてきた語りの概念を適用するための通路が見当たりづらい。その要因の一つとして、それぞれの分野で語りの「正しさ」の前提が異なっていることが挙げられる。本稿ではナラティヴ研究の概念を、質的調査とは異なる実践場面に即して検討することを試みる。これは、異なる「正しさ」を想定している語りを、共通の土俵にのせて論じるための試みでもある。これにより、多様な実践現場において、それぞれ語りの「正しさ」がどのように前提され、互いにどのように異なっているのか、あるいは類似しているのかを明らかにすることができる。特に本稿では、語りの「正しさ」、アクティヴ・インタビュー、対話的構築主義という観点から、本特集に収録している司法面接、医療、精神分析の実践場面における語りについて検討する。
Prior studies about narrative were primarily based on interviews conducted for academic purposes in qualitative research such as cultural anthropology, qualitative sociology, and oral history. It is not only in interviews for academic purposes that problems of accuracy of storytelling, how to gather and how to interpret are important. Similar problems are observed in dialogue or explanations in practical situations. However, the contexts can differ between practical situations and qualitative interviews, posing difficulty in applying the concept of narrative as discussed through qualitative surveys to practical situations. One key factor is that the concept of the accuracy of narrative is different in each field. In this paper, I apply the concept of narrative research to practical situations which are different from the contexts of qualitative research. This is also an attempt to discuss narratives that have different accuracies, on a common field. In this article, narratives in practical situations are considered from the viewpoint of accuracy of narrative, active interview, interactive constructionism and its criticism. I focus on the contexts of forensic interviews, medical treatment, and psychoanalysis.
URI: http://hdl.handle.net/2433/243981
出現コレクション:011

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