ブルガリア，アルダ川流域における環境災害リスクの構造化

Abstract

本論文では，システムズアプローチを用いてアルダ川流域（ブルガリア）の環境災害リスク分析を行う。対象地域はブルガリアの東南に位置し，環境災害リスクとしては洪水，土壌侵食による影響を受けていると考えられる。また，この地域は1990年以降，社会経済背景の著しい悪化にも悩まされてきた。この地域の環境災害リスクをISM法を用いて整理し，その構造を明らかにすることが本論文の目的である．ISM法は複雑に絡み合っている要素の関係を単純化し，構造化するための手法である。本論文では，ブレーンストーミングによって挙げられた多数の要素を縮約し，さらにそれらの帰属をエコ，ジオ，ソシオシステムに分類し，各システムの代表要素とした。ISM法を用いて要素の関係を整理した結果，エコ，ジオ，ソシオシステムの15の構成要素を7つのレベルを持つ階層システムとして構造化した．

The paper explores environmental disaster risk and applies the system approach in Arda river basin, Bulgaria. Target area is located in Southeast Bulgaria and much affected by environment disaster risk (floods, soil erosion) and also suffered a severe socio-economic decline in the last 15 years. The Interpretive Structuring Method (ISM) has been implemented in order to fix the relationships between elements of social, eco and geosystem, to determine the input and output and to analyze cause-effect interactions. 15 components have been determined and located on 7 levels.