日向灘地殻活動総合観測線における地殻変動連続観測 : 最近15年間(1991-2005)の観測結果

Abstract

日向灘地殻活動総合観測線に配置された7観測点における，最近の(15年間）地殻変動連続観測結果について調べた。各観測坑道は連続観測の目的のために新たに掘削を行った坑道や，鉱山の廃坑跡・防空壕跡を整備したものなど様々で，また観測坑の被り，温度，降雨の影響など環境の違いにより観測点特有の変動が現れている。最近では歪・傾斜の経年変化において，幾つかの成分に共通した時期を境に変化率が変わったり，傾斜方向が変わるような変動も観測されている。これらの変動は降雨や温度などの擾乱だけでは説明がつかず，観測点周辺の応力場の反映とも考えられ得る。また最近の日向灘周辺の地震活動は非常に静穏で，1996年2個の連続した地震(M6.9, 6.7)前後に異常な変化率を示していた宮崎観測点における歪経年変化も，以前の変化率に戻っている。

Results of continuous observations of crustal movements at 7 observatories in observationnetwork of crustal activities around the Hyuganada region of Kyushu, Southwest Japan, are described. Though secular variations of continuous strain observations began to increase one year ago of the earthquakes(1996, M6.9, M6.7), it was returned in the value of the cause from about 2001, and 5 years passed at Miyazaki Observatory. Earthquake activities have lowered since about 2002 in the central part of Hyuganada region.