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タイトル: 遅延微分方程式へのoperator splitting methodの適用に関する考察 --autonomous常微分方程式の場合-- (時間遅れ系と数理科学 : 理論と応用の新たな展開に向けて)
著者: 河原, 一幾  KAKEN_name
著者名の別形: Kawahara, Hideki
発行日: Jun-2024
出版者: 京都大学数理解析研究所
誌名: 数理解析研究所講究録
巻: 2288
開始ページ: 34
終了ページ: 55
抄録: 本講究録では時間に依存しない係数を持つ一階のDelay Differential Equation(本稿ではDDEあるいはLₚ-contextで捉えたときDDEpと略す.)の解のwell-posednessを示すとともに解の構成をoperator splittingという手法を用いて近似解を数値的に求めることを目的とする.ヨーロッパでは,1980年代から,特にオランダ,ドイツ,ハンガリーで,population dynamicsの分野を中心に,delay differential equationのsemigroup theoryが盛んに研究されてきた.また,無限次元の制御理論の観点からも研究されてきた.注目すべきアプローチの1つは,オランダのCentrum voor Wiskunde en Informaticaに所属するPh.Clément, O.Diekmann, M.Gyllenberg, H.J.A.M.Heijmans, H.R.Thiemeなどの研究者が追求したdual semigroupである.この研究は境界条件を求めようとする解空間のsecond dual space (sun starと呼ばれる関数空間である)に定義し,この空間の中で弱解を構成し,それが実はもとの空間の強連続解であることを示すという手法である.制御理論でも似たような観点からsecond dual space上でsemigroupを構成する手法が研究されてきた.DDEにおけるもう一つの方向性が,Klaus-Jochen Engel, Rainer Nagel, およびその共同研究者によるsemigroup theoryである.この研究は彼らのグループにより引き継がれ,well-posednessの研究とともに数値計算手法の研究としてoperator splitting methodのdelay semigroupに対する研究がもたらされた.数値積分によってDDEの数値解を求める方法として,Runge-Kutta法やEuler法が広く適用されているが,ハンガリーグループはoperator splitting methodによる構成方法をとった.これはオペレーターのperturbationによりC₀-semigroupを構成する理論をそのまま数値計算するもので理論から自然の流れで導出される.operator splitting methodは偏微分方程式の研究においては非常に有用であり,例えばporous medium方程式,Burgers方程式,KdV方程式などにおいてexact solutionを求めることが困難な場合においてもそのrough solutionを求める場合,operator splittingが非常に有効であることが示されている[19, 20].しかし,DDEに対してoperator splitting methodを適用した文献は少なく,ハンガリーグループおよびその周辺の研究者によるものが大勢を占めている.そこで本講究録では過去20年にわたって彼らハンガリーグループを中心に培われてきたautonomous delay differential equationに対するoperator splitting methodをサーベイし,若干の考察を提供する.
URI: http://hdl.handle.net/2433/294773
関連リンク: https://sites.google.com/view/rims-delay-2023
出現コレクション:2288 時間遅れ系と数理科学 : 理論と応用の新たな展開に向けて

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