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タイトル: vidhenaman and vrdhatu in Yajurvedic Mantras
その他のタイトル: ヤジュルヴェーダマントラに現れるvidhenamanとvrdhatuの語を巡って
著者: AMANO, Kyoko  kyouindb  KAKEN_id  orcid https://orcid.org/0000-0003-1549-6830 (unconfirmed)
著者名の別形: 天野, 恭子
キーワード: Yajurveda
Maitrayani Samhita
mantra
vidh
vrdh
発行日: 25-Mar-2016
出版者: Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
誌名: 印度學佛教學研究
巻: 64
号: 3
開始ページ: 1053
終了ページ: 1060
抄録: 本稿では, ヤジュルヴェーダマントラに現れるvidhenamanとvrdhatuという未解決語を考察する.vidhenamanはMaitrayani Samhita I 9, 1(マントラ)及びI 9, 4-5(祭式解釈)に現れるが, 語形についても語義についても決定的な解決がなされていない.本研究においては, 問題を明確にした上で, この語を, これに続くvidhes tvam asmakam namaというマントラと関連付けることを試み, ^+vidher-naman- 「vidhes...nama[というフレーズ]によって呼びかけられる者」との解釈を提示した.同マントラは, 動詞vidh「取り計らう」の通例から逸脱した用法を示すが, その背景は19という章の成立の特殊性や, 音韻的に似た語を含む他の表現からの影響によって説明され得る.ここに現れたvidhesという語は, ヤジュルヴェーダ・サンヒターにおいて他に一度だけ現れる.Taittiriya-Samhita VI 1, 2, 5の, brhaspatir no havisa vrdhatu(マントラTS I 2, 2, 1)についての説明において, vidhesと言わずvrdhatuと言うべしと述べられるのである.しかしこのvrdhatuという語も, 語形や文における用法に問題がある.それらの問題が, 元にvidhesがありそれがvrdhatuに変えられたことに起因することを指摘し, 変化の過程を考察する.すなわち, vrdhatuが主語Brhaspatiと共にactive語形で現れる(普通はmiddle)ことはおそらくvidhesからの影響であること, -atuという語幹及び語尾のイレギュラーは*vi-dhatu(動詞vi-dhaのaor. imperative)からの影響が考えられ, そこに動詞vidhの介在が想定されることを示した.イレギュラーな語幹及び語尾-atuの形成については他に, imperativeをsunjunctive語幹から形成する例への類推や, 韻律上の必要性などの想定される要素を指摘した.扱った二つのマントラにおいて, vidhesという語を巡ってイレギュラーな語形や用法が起こっていたことがわかった.その原因として, vidhesを祭式の場で用いることに問題があった, つまりvidhesが日常語であった可能性が考えられる.MSの写本において, vidhes tvamの代わりにvidhe tvamやvidheh tvamという形が伝承されており, vidhe(h)がこの形で頻繁に用いられていた可能性を指摘した.
著作権等: © 2016 Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
URI: http://hdl.handle.net/2433/242247
DOI(出版社版): 10.4259/ibk.64.3_1053
出現コレクション:学術雑誌掲載論文等

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