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KJ00004704636.pdf | 204.99 kB | Adobe PDF | 見る/開く |
タイトル: | Quantum Transport in Classically-Chaotic Quantum Billiards |
その他のタイトル: | カオス系量子ビリアードにおける量子輸送(「有限量子多体系の励起構造と相関効果」-原子核・量子ドット・ボース凝縮・クラスターを中心として-,研究会報告) |
著者: | Nakamura, Katsuhiro |
著者名の別形: | 中村, 勝弘 |
発行日: | 20-Jun-2002 |
出版者: | 物性研究刊行会 |
誌名: | 物性研究 |
巻: | 78 |
号: | 3 |
開始ページ: | 268 |
終了ページ: | 270 |
抄録: | ポアンカレにより指摘されケルヴィン卿によりエルゴード性の根拠として考察されたカオスを示すビリアードの物理学は、ナノテクノロジーの出現により新局面を迎えている。ここでは、電子のド・ブロイ波長がビリアードの特徴的長さ(サブミクロンスケール)より充分小さい場合、つまり、半古典領域の電子の量子カオス(カオスの量子論的兆候)を考察する。まず最初に、アンチドット超格子(シナイビリアードの量子版)をとりあげる。半古典論を用いて弱磁場中の充分カオス的な3角格子(起格子)の伝導率を解析する。孤立した周期軌道理論(最も単純な鞍点近似)を採用すると、電気抵抗は磁場の関数として単調な減少を示す。しかし、磁場変調により生じる軌道分岐(あるいは軌道融合)の効果を取り入れると、スパイク状の顕著な抵抗ピークが生まれ、これはピーク位置においても、ピークの高さにおいても最近のNECグループの実験結果と一致する。続いて、リード線のついた3次元量子ドット(量子ビリアード)のコンダクタンスを考察する。位相空間の混合性を反映して、3次元ビリアードではアーノルド拡散が期待できる。まず、この系に対するコンダクタンスを半古典論で導く。その表式を見ると、部分的にあるいは完全にエルゴード性の破れた3次元ビリアード(たとえば、SU(2)対称性を持つビリアード)では、弱磁場をかけると、コンダクタンスのフェルミエネルギーへの依存性のベキ指数が増えることがわかる。このため、3次元量子ドットでは弱磁場によるコンダクタンスの増加は、弱局在効果だけで無くアーノルド拡散にも起因する。 |
記述: | この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。 |
URI: | http://hdl.handle.net/2433/97235 |
出現コレクション: | Vol.78 No.3 |
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